そろそろ首都圏では毎日の新規感染者数が多数ではありつつも一定数になり始め、ピークを迎えている頃と見てよいのでしょうか。僕の直接の知り合いさえも2日に1人ペースで順繰りに感染して(音楽家の場合は見事に仕事や本番を飛ばして)いるところです。早く鎮静化してほしいですね。
このような状況ですが、来月末にはいくらか状況が好転していることを期待しつつ、自主企画に伴奏者として出演するという告知をさせてください。
2022年9月25日(日)
14:00開演(13:30開場)
中村康弘 & 鈴木広之
テノールデュオリサイタル
会場
スペース & カフェ モントン
京急「馬堀海岸」駅より徒歩
入場料
¥2,500 ドリンク付き
要予約 チケットレス
定員25名
プログラム
中村康弘 / 柴田崇考(Pf)
♪木下牧子《夢みたものは……》
♪木下牧子《鷗》
♪信長貴富《ヒスイ》
♪信長貴富《未来へ》
♪千原英喜《もう一度》
鈴木広之 / 榎本智史(Pf)
♪木下牧子《おんがく》
♪信長貴富《しあわせよカタツムリにのって》
♪千原英喜《明日へ続く道》
♪千原英喜《宮沢賢治の最後の手紙》
♪信長貴富《夕焼け》
柴田崇考 & 榎本智史 (Pf連弾)
♪フォーレ《パヴァーヌ》Op.50
中村康弘 & 鈴木広之 / 榎本智史(Pf)
♪信長貴富『思い出すために』(全6曲)
予約申込連絡先
鈴木広之
当ホームページCONTACTからでも可
僕が引き受けている仕事の一つに、横須賀市内で活動する合唱団である 横須賀国際合唱団 の伴奏があります。基本的には横須賀市の合唱祭に出ていましたが、つい先の6月には神奈川県合唱祭にも初参加を果たしました。コロナ禍当初の3月に吹き飛んだ単独演奏会は凍結中です。
団員の平均年齢は30代と横須賀市内の合唱団の中でも若い合唱団です。しかも最近は階名対応。団員は随時募集中ですので、横須賀市近辺で合唱に興味があるけれど年代の高い合唱団に見学に行くのはハードルが…という方はぜひ一度見学にいらっしゃってください。
…と、何故いきなり横須賀国際合唱団の話をしたかと言いますと、今回の主役であるテノール2人、中村康弘さんと鈴木広之さんはその横須賀国際合唱団の団員であるからです。普段は合唱ですが、今回は独唱と重唱にも挑戦することになります。
そのプログラムも、長く合唱を続けてきた二人ならではのものとなっています。独唱・重唱の曲目は全て、元々合唱のために書かれた作品です。独唱や重唱で聴くことによって、合唱とはまた異なる表現を味わうことができるでしょう。
また、ピアニストの柴田崇考さんとの連弾も披露します。折角なので、フランスの作曲家フォーレがオーケストラと合唱のために書いた(厳密に言えば合唱が若干後付け)《パヴァーヌ》を選びました。これで一応は全ての曲目が「元は合唱曲」という共通点をもつことになりますね。
合唱と一口に言っても、あくまでもそれは音楽のジャンル名というよりは編成・演奏形態の呼称です。クラシックの合唱をイメージする方も、あるいは学校で経験したクラス合唱をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には合唱という編成によってジャズや前衛など様々な趣向の音楽が歌われることになります。このリサイタルによって「合唱曲」のイメージが覆るのをぜひその耳で聴きに来ていただきたいと思います。
集客のまとめ役は鈴木さんですが、予約申込は榎本宛に連絡していただいても構いません。こちらでも受け付けます。どうぞよろしくお願いします。
リサイタル概要を説明したところで、余談を書きます。
今回の主役であるテノール2人とは、実はそれなりに短くない縁があったりしました。
まず、鈴木さんは横須賀国際合唱団の代表でありまして、僕に団の伴奏をオファーした張本人でもあります。コロナ禍が始まる1年前から僕は横須賀国際合唱団に関わっているわけですが、なんでもその「榎本に伴奏を頼もう」と思った切っ掛けが、僕が近代アメリカの作曲家カウエルのピアノ作品(掌や腕で広範囲の鍵盤を全部弾く奏法を用いる)を弾いているのを見たからだそうで、僕も「ぶっ飛んだことを考える人がいる…」と思ったものでした。「いつか独唱でもリサイタルをやりたい」と言っているのを度々聞いていましたが、今回はその記念すべきリサイタルにもなるのではないでしょうか。
そして、中村さんとの繋がりは比較的妙なものです。実は横須賀国際合唱団に出会う以前に、共通の友人を通して僕と中村さんは出会っているのです。2015年に行われた三善晃の追悼コンサートでのことでした。此度のリサイタルの顔合わせの時点で、僕と中村さんが初対面ではないことに鈴木さんの方が驚いたくらいでした。中村さんもまた独唱にも力を入れていらっしゃいまして、先日も荻窪アルカフェでのオープンマイクで歌ったのを僕が伴奏しました。
中村さんが仕事で横須賀に移ってきた時に、これはもしかすると横須賀国際合唱団との接点も生まれるのではないか…などと口にも出さずTwitterのタイムライン動向を見守っていましたので、中村さんが横須賀国際合唱団に入ったのを見た時にも全く驚きはありませんでした。そりゃあ横須賀在住の若手合唱フリークである2人が出会わないわけがないだろうとほぼ確信していたからです。
合唱曲に関しては僕が足下にも及ばないくらいに詳しい二人がお届けする「独唱・重唱で合唱」、ぜひ聴いていただきたいと思います。
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