及川音楽事務所スプリングサロンコンサート
2020年4月18日(土)
13:50開場 14:00開演
@松濤サロン(渋谷駅より徒歩10分)
全席自由 2,000円
予約申込:virtuoso3104@gmail.com
または当HPのContactフォームより
プログラム
モーツァルト:幻想曲とフーガ KV394
バルトーク:アレグロ・バルバロ 他
コロナウィルスの影響で多くの演奏会が延期や中止を余儀無くされている中ではありますが、松濤サロンはそもそも座席数もそこまで多くはないですし、閉鎖されることがない限りは予定通り決行されると思います。
独創性(オリジナリティ)とは、つまるところ「他人とは違う」ことをやるというものでありまして、そこには「他人が何をやっているか」ということを知る必要が出てくるのです。自身がやりたいようにやったというだけでは、独創的であるかという観点においては不明確なのであります。
実のところ、西洋音楽史に名を残す作曲家たちが本当に最初の創作から後世に伝わる天才的な独創性を打ち出していたわけではありません。そこには自分よりも前に存在する音楽を対象とした多くの学習や経験、そして創作の試行錯誤があったのです。
僕の好きなところで言えば、ドビュッシーがチャイコフスキーの作品を研究して《白鳥の湖》の編曲や《ピアノ連弾のための交響曲 ロ短調》を生み出したり、シェーンベルクがドヴォルザークをモデルに《弦楽四重奏曲(第0番) ニ長調》を書いたりしています(本人たちにとっては黒歴史である可能性も無くはないですが)。
今回の個人的なテーマは「作曲家たちは何を学び、何を作ったのか」です。
大天才・モーツァルトだって音楽の勉強はしていました。今回弾く1曲目は《幻想曲とフーガ》KV394 という割と無名な曲。本人は「前奏曲とフーガ」と呼んでいたようです。
さて、皆さんはこのタイトルからとある別の作曲家の代表作品を思い浮かべたことでしょう。J.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集》です。「前奏曲」+「フーガ」のセットですね。しかしところで、モーツァルトのそれは「前奏曲」の規模があまりにも大きく、様々なセクションに分かれ、調性が曖昧になるシーンすら見られます。そこにはJ.S.バッハではない、もう一人の作曲家の影が…?
そして2曲目はバルトークの代表作《アレグロ・バルバロ》。最初は単に「アレグロ」というタイトルでしたが、後に「バルバロ(野蛮な)」が足されました。
バルトークという作曲家は、ハンガリーやその周辺国の民謡を採集・研究し、その要素を自らの作品に採り入れました。その成果としての初期のものがこの《アレグロ・バルバロ》なのです。「ピアノは打楽器」を地で行く派手さが(なにせカッコいいから)主に注目されますが、バルトークはどのように民謡のエッセンスを自作品に盛り込んだのかという観点で聴くのも面白いでしょう。
2曲それぞれの詳しい解説はまた別の記事にしようと思います。
作曲家たちは何を学び、何を作ったのか ── 何を模倣し、どんな独創を考え出したのか。そのアイデアに迫ります。
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