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Satoshi Enomoto
2月14日読了時間: 5分
【メモ】ラヴェルのピアノ作品の低音域問題
僕は学生時代にはラヴェル作品を《マ・メール・ロワ》しか弾いておらず、そもそもフランスものを比較的避けてきていました。例外はフランクとドビュッシーとサティの有名どころ程度のものです。ようやく最近になって一念発起してラヴェルの《ソナチネ》を弾いてみたら意外と楽しかったもので、引...
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Satoshi Enomoto
2024年10月12日読了時間: 7分
【名曲紹介】シェーンベルク《6つのピアノ小品》Op.19:「私の音楽は短くなければならない!」
シェーンベルクは 《3つのピアノ曲》Op.11 の特に第3曲において、可能な限りの論理的作為をキャンセルすべく、形式を持たない、楽想ごとの激しいコントラストによる音楽構成を試みました。この試みについて、シェーンベルクはブゾーニへの手紙を送っています。...
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Satoshi Enomoto
2024年9月1日読了時間: 5分
【ソルフェージュ・雑記】階名は「全ての調をハ長調/イ短調に移高する」考え方ではない:固定ド認識に由来する階名への誤解
階名によるソルフェージュ訓練の重要性を主張する時に、いわゆる固定ド(ドレミシラブルの音名用法)の主張者が階名に対する批判を述べてくれることがあります。ただその中には、階名認識者の側すらも前提にしていない観点を例に挙げて批判を展開するものもありまして、それについては階名側から...
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Satoshi Enomoto
2024年8月26日読了時間: 3分
【分析メモ】シェーンベルクが行った十二音音列の恣意的な操作と、それによって生み出される擬似的な機能和声
10/19のリサイタル に向けて、シェーンベルクとその周辺の作品を主に練習していて、耳が馴染んできたからか、より色々な要素が聴こえるようになってきたので共有しておきたいと思います。 シェーンベルクがおよそ10年に渡る長い沈黙を破り、十二音による作曲法を実践する形で書いた最...
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Satoshi Enomoto
2024年7月24日読了時間: 3分
【演奏告知】私的演奏協会Vol.4『ヴェーベルン』【2024.9.8】
2024年9月8日(日) ① 13:45開場 14:00開演 ② 15:15開場 15:30開演 私的演奏協会Vol.4『ヴェーベルン』 会場 空音舎 東京都大田区南六郷2-5-10サンアイランド102 京浜急行「雑色」より徒歩 入場無料(投げ銭歓迎) 曲目 ヴェーベルン...
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Satoshi Enomoto
2024年4月4日読了時間: 3分
【雑記・音楽理論】音楽の要素の「何故」と「何」を考えること:ベルク《夜》を例に
音楽家、特にクラシックの演奏家たちが、自分の演奏する曲の楽譜に形式や和音記号を書き込んで「楽曲分析」や「和声分析」などと言っているのを見ることがあります。あるいは演奏会のMCで、楽曲がソナタ形式でできているだの、全音音階を使っているだのということをPRするのを見ることもあり...
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Satoshi Enomoto
2024年2月27日読了時間: 2分
【分析メモ】全音音階の構成音を全て鳴らした和音はドミナントの機能を担える
唐突な話題ですが、全音音階という音階があります。 皆様に親しみのある長旋法ドレミファソラティドと短旋法ラティドレミファソラなどは、簡略化すれば全音と半音の音程の順列で構成されています(実際には全音の種類、半音の種類でも区別あり)。全音音階はオクターヴ間を全音の音程だけで構成...
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Satoshi Enomoto
2023年10月28日読了時間: 3分
【雑記・音楽理論】NHK大河『風林火山』OPテーマから学んだ跳躍音程のエネルギー
今ではすっかりTV自体を観なくなってしまいましたが、中学生~高校生の頃はNHKの大河ドラマをよく観ていました。特に僕は日本史に詳しかったわけではないのですが、主に父と末弟が興味をもって観ていたのです。僕の興味はやはりそのドラマに付いている音楽の方に向かいました。後になってか...
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Satoshi Enomoto
2023年10月20日読了時間: 2分
【雑記・分析メモ】山田耕筰《曼珠沙華》の跛行リズムにはテヌートが付いている
依頼されて山田耕筰の《曼珠沙華》(読みは「ひがんばな」)の伴奏をすることになっています。山田耕筰の歌曲の中では有名な曲の一つですから、もちろん曲の存在は知っていますし、大学1年生の時にアンサンブルの授業で譜読みだけした記憶があります。...
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Satoshi Enomoto
2023年5月2日読了時間: 7分
【名曲紹介】モーツァルト《アダージョ ロ短調》KV540:天才の陰鬱と深淵
モーツァルトのピアノ作品と聞くと、多く思い浮かべるのは天才の筆致で書かれた軽やかで明快な音楽でしょうか。クラシックに馴染みの薄い方々でもなんとなくイメージする通り、音楽のアイデアを次から次へと考え出せるような人ではあったでしょうから、そのイメージが間違っているわけではないと...
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Satoshi Enomoto
2023年3月29日読了時間: 7分
【分析メモ】半音階の表現力
半音ずつ上行する/下行するという半音階進行は、西洋音楽史上の音楽表現において強烈な効果を何度も発揮してきました。一般にクラシックの聴衆が半音階を耳にする機会は、半音階が特に多用されるようになった19世紀ロマン派の音楽においてのものが多いでしょう。その時代にまで来ると半音階は...
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Satoshi Enomoto
2023年3月17日読了時間: 8分
【分析メモ】バロック時代の不協和音程の表現力:調和を超えて人間の表現へ
モンテヴェルディ(1567-1643)は生没年を見てもわかる通り、ルネサンス時代とバロック時代に跨がる位置にいる作曲家です。ルネサンス時代後期におけるマドリガルと、バロック時代初期におけるオペラを両方とも創作しました。 元々仕えていたマントヴァから暇を出されてしまったモンテ...
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Satoshi Enomoto
2023年3月16日読了時間: 5分
【分析メモ】ラッパを使わずにラッパが鳴る音楽【カリッシミ、ヘンデル】
管弦楽法は習わなかった上に詳しくないという有様でこのタイプの話題を書くことは気が引けるのですが、意識してみると面白い観点ではあると思うので書きたいと思います。 基音に対してその整数倍の周波数をもつ音のことを倍音と言います。その倍音の周波数が基音の周波数のn倍になる時、その倍...
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Satoshi Enomoto
2023年3月14日読了時間: 4分
【分析メモ】シェーンベルクの十二音による作曲法は「十二音を順序を決めて均等に使用する」ものであるか?①【《5つのピアノ曲》Op.23よりワルツ】
巷ではいわゆる"十二音技法"について、「十二音を順序を決めて均等に使用する(そのことによって調性を破壊する)」と説明されることが多いようです。 一口に"十二音音楽"と言いましても、新ヴィーン楽派の中でさえシェーンベルク、ヴェーベルン、ベルクの十二音の運用への意識はそれぞれ異...
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Satoshi Enomoto
2023年3月13日読了時間: 3分
【分析メモ】言葉を反復することによる強調表現【カリッシミ、ヘンデル】
「大事なことなので2回言いました」という文言があります。一方で、僕はあまり聞いたことがないのですが「大事なことなので一度しか言いません」という文言もあるそうです。どうでもいいことは大抵一度言って終わりなのですから、大事なことを同じ扱いにしてはいけないだろうと思いますし、僕は...
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